2011年6月21日火曜日

教科指導について

数学を教えることの難しさは、もう塾講師も4年目になるがいつも思う。
特に、私自身も教え方を変えて、生徒の様子・反応を観察している。

最近塾で若手のホープとされる先生が模擬授業を行ったのだが、その授業を例に少し考えてみたいと思う。
その授業では、二次関数の最大・最小を求める問題について行った。

黒板に、「大原則」と称して
1.平方完成をする
2.の係数を見てグラフを書く
3.定義域と軸の関係を見る

などと書いてから、例を扱い演習を行っていく授業であった。

このように、私は「何かを求めるための一連の動作」を明確に日本語として書くことがあまり好きではない。
マニュアル化している感じがして、ちっとも数学らしさを感じ無いのもある。

もちろん、実際に求めようとすると上と同じようなことを辿るのだが…。

そして、好きではないが、私はこのようなマニュアル化した授業を行ったことは、もちろんある。
二次関数に限らず、群数列などの問題でも、その問題の聞かれていることに対して1つずつどう求めるかを丁寧に、原則とは書かなかったがマニュアル化みたいなことはした。

自分でやっていて、どうなんだろうと思いつつやったが、生徒からの受け・反応は良かった。

「こうやれば求まる」というのが、見えるからだ。
けれど、待って欲しい。それなら教科書にそのまま書いている。少し小難しく書いていたりはするのだが、教科書にもほぼ同じようなことを書いている。

いい例としては、数学的帰納法なんて、本当にそのままに書いている。
しかし、あの書かれた内容だけで、数学的帰納法が扱えるようになる人は、ほとんど皆無だろう。

そこからも、私は思うのだけど、そういうマニュアル化は、一時的に数学への理解へ近づいたように思える・錯覚するのだが、1つ1つの操作で何をしているのかがちゃんとリンクしているのかが分かっていなければ、数学の能力が備わっているようには思えない。

そのようなマニュアル化は、私はしない方が良いと思っている。したいのなら、生徒が勝手にやるべきで、先生がマニュアル化したものを教えることによる弊害は大きいと思える。また、数学と言うものを誤解してしまう気がしてならない。

1つ1つの操作を感じ、自分の血・肉にするために自分で演習問題を解く。1問,2問解いただけで、その単元を自分のものにしたと言える人はなかなか居ないだろう。
何度も解いて、間違えたりすることで、やっと自分のものになる。

あってるか、あってないかを不安になりながら解いても、得られるものは少ない。
1つずつの操作が、こうだと認識していくためには、間違えることも大切なのだ。

その間違えることを意識的に避けようとしているのが、マニュアル化であるような気がする。

もちろん、ケースバイケースであって、このようなマニュアル化をした方がいい場面ももちろんあるだろう。
例えば、ある関数または曲線の漸近線を求める操作(一次近似)は、教えることがなかなかに難しい。

どういう操作をすれば、漸近線が求まるというマニュアルを教えることはできるが、それをしっかりと説明するのは、直感的なものしかない。

マニュアル化で、一番激しく出来るのは、三角比の正弦定理・余弦定理だろう。
どの辺と各の関係が分かっていれば…とすると、何通りかをマニュアル化して書くことはもちろん出来る。
けれども、そんなことをして意味はあるのだろうか。

また、しばらくは、教科指導について考えていこうと思う。

2011年6月1日水曜日

教育実習

先日、教育実習が終わりました。なので、今回学んだことなどをまとめてみようと思います。
これから教育実習に行かれる人の参考にもなれば良いなと思いますが、自分の為に書いているので、多少分かりづらいかも知れません。

まず、今回私は中学校へ3週間教育実習に行きました。
2週目に、運動会があると言う事で、1週目・2週目のほとんどが運動会練習などになり、あまり教育実習と言う感じでは無くなった部分はありました。

学年は、2年生を担当し、数学の授業は、1年生・2年生で行いました。

教科指導と生徒指導について、まずは書きたいと思います。(生徒指導は、教科指導にももちろん含まれてますが、主にということで、別けてみたいと思います。)

・教科指導について
私は、今年で塾講師4年目であり、そこそこ授業には自信がありました。と言っても、高校生を教えることが多いので、中学校の教材研究など課題は、少しあるかなと感じていました。
しかし、実際授業を何度かしてみると、塾と中学校のクラスでは、やはり勝手がかなり違いました。
塾へは、「勉強をする」意識が多少なりともある人が通っているから、注意をすれば、大抵は落ち着いて聞きます。
しかし、公立中学校では、それが通用しないことも多いです。また、機嫌や疲れを先生側も感じ取り、それに合った授業展開をする必要性がありました。
無理に起こして、逆撫でてしまい、授業妨害や酷ければ学級崩壊にもなるだろうことが分かりました。
また、授業に関係ないであることも少しは、拾ってあげたほうが親しみやすいのかも知れません。
この単元・授業中に、一番大切なところは何なのかをハッキリと、意識させることも必要だと思います。
数学に関して、私たち数学科は、ほとんどが大切な部分ばかりで、教科書にあることで分からないことなど無くして行くほうが良いと考えることが多いですが、生徒はそれが分かりません。
なので、例えば、文字式を利用して証明問題を解くなどのことで、重要だと教えるのは、文字を利用するという点で、証明をさせるのは、普通の公立中学校には難しすぎるということ。それを理解して、生徒に伝えなければ、生徒はただやらされているだけで、何が重要なのかが分かりません。
それをしっかりとした話の抑揚や、注目をさせて認識させることが重要だと感じました。
私も最後は、それが出来るようになりました。

また、これは実習後の報告会(研究室)での教授が仰ったことから、私が感じたことですが、中学校の知識は、もちろん小学校の知識が必要です。小学校でどのように教えているのか、その教材研究はしなければいけないだろうことが分かりました。
教科指導に関しては、教具などを使用し、復習時間を短縮したりする方が良いと思います。
復習自体に20分もかけてしまうと、本題が薄れてしまうこともありますので。

研究授業に関しては、一応合格点は貰えましたが、公立中学校に対しての授業としては、盛り込み過ぎているなど、効率中学校の現状を知っていないことが分かりました。

ちなみに、私は2週目から教壇に立ち、多いときは一日4時限、平均2時限授業をさせて頂きました。(2週目は、運動会練習でそれぞれ半分ぐらいですが…)

・生徒指導について
先述した通り、私は塾の高校生に慣れすぎて居て、ある程度フレンドリーに接すことを心がけようとしました。
それが今回の件では、完全な失敗でした。私と生徒の距離がとても近くなりすぎて、「先生」と呼ばれずに居ました。
3日目ぐらいから、これでは不味いと思っていたのですが、1週目は忙しさもあり、なかなか変えることが出来ませんでした。
私自身、その方が楽で、楽しくも感じていた部分がありました。
2週目から、生徒への対応を変えて、しっかりと先生と見られるようにしなければと思いました。それは、2週目からショートホームルームを任されるようになったからというのもありました。
自分なりに考え、色々こなしてみましたが、なかなか上手くいかず、最後には、少し力づくで制止したりして、言う事を聞かせようとしてしまいました。
その時になって、自分の指導力の無さを感じ、ホーム主任に相談に行きました。
ホーム主任にも、あなたは1週目はフレンドリー過ぎていて、2週目から試行錯誤しているのは見て取れたと言われたときに、ホーム主任にも見抜かれているんだから、相当な失敗をしてしまったと思いました。
また、自分だけでどうしようも出来なかったことから悔しくて、少し泣いてしまいました。
ホーム主任からアドバイスを頂き、その後の2週目、3週目はどうにか持ち直していきました。
最後まで、「先生」と読んでくれない生徒も居ましたが、それは自分自身のせいです。

私は、中学生という多感な時期(特に2年生なんて、一番多感であり、思春期だと思う)の生徒への最初の対応が間違いでした。それが今回一番の収穫だとも思えます。

こんなことを言うのもなんですが、同じ実習生は、最後まで「○○ちゃん」と呼ばれていて、その実習生自体もそれを心地良く思っていたみたいですが。
やはり、「先生」であるという自覚を持ち、それを常に意識することの大切さ・大変さを痛感しました。

高校生では、少ないかも知れませんが、同じようなことはあるかも知れません。
また、数学の先生を目の敵にしている生徒も居ます。多感な時期だからなのかも知れませんし、それはちょっと今回分かりませんでした。目の敵にしている生徒は、「女子」しか居なかったように感じるので、それは個人の性格の問題なのかも知れません。
私も、心では傷つき、心が折れそうになることも何度かありましたが…。

また、部活動についてですが、私は体型の割に運動・スポーツは得意です。(自分で言うのも何ですが…)
なので、色んな部活動に参加してきました。
もちろん見るだけのもありましたが、卓球やサッカーは、自分も中に入ってプレイしてきました。
特に私がオススメするのは、団体競技のサッカーなどですね。
生徒と一緒に汗を流し、必死に頑張る。生徒も近づいてくれますし、生徒自信も先生が一緒にプレイすると楽しいみたいで、来て下さいと頼まれることが多かったです。

ただ、私は運動をしばらくしてなかったので、体がボロボロになりましたが。日誌なんて、部活動後に書けば良いと思います。
日誌に必死で、部活動に参加しない・遅れて参加するなんて、生徒が可哀想ですよ。

色々と通して分かったのは、先生たちの大変さ、中学生の力、多感な時期での接し方、先生と言う立場について、再考させられたと思います。

高校の実習に行っていない私が言うのもなんですが、本当に教員になりたい人は、中学校に行くことをオススメします。
1年生、2年生、3年生がそれぞれ色が全く異なります。それぞれへの対応の難しさと楽しさを感じることが出来ると思います。
また、真剣に・真面目に教育実習をすれば、色々と悩むのが普通だとも思います。そういう時は、同じ実習生と話をしましょう。

辛かったけど、楽しかったです。ありがとうございました。

P.S 担当のクラスからは、最終日に全員が手紙を書いてくれました。嬉しかったです。