2011年8月21日日曜日

『高校数学・新課程勉強会2011』に参加してきました。

本日(2011.08.21)、青山学院大学にて開催されました『高校数学・新課程勉強会2011』に学生ながら参加して参りました。
勉強会ブログは、こちら内容詳細)を参照してみてください。

感想ですが、まず「学生ながら」と思ったのは、会場に着いた時で、参加を決めた時には「学生の多いものだ」と勝手に思っていました。
しかし、実際には、学生はほんの一部であり、大半は大学教員・予備校講師・塾講師・高校教員と言った方がほとんどでした。
この勉強会に参加して、思ったことはたくさんあります。その中でも、やはり一番大きく思わなければいけないことは、同じ教員や、教える立場にあるもの同士が共通の意識と、情熱を持っていかなければならないと言うことです。
もちろん、全員がそのようなものを持てるわけではないでしょうが、少なくとも今回の勉強会に参加をした人数は居るのだ。やはり、情熱を持って、数学の知識をもって、教育に携わなければならない。
それを深く再確認をしました。

それでは、各講演内容を通しての感想をまとめて行こうと思います。

第一部
・新学習指導要領の概略とねらい
正直、私は学部3年生の頃に受けた授業の印象からも、文部科学省がやっている、この数学の目標やねらいがそんなに深く考えられたものではなく、お役所仕事のひとつなんだと言う風に思っていました。
私の周りにもそんな人は何人か居ました。
しかし、この講演を聞いて思ったのは、ひとつひとつ丁寧に言葉の意味をすくい上げると、どういう風に指導をしてもらいたいのか、また日本の数学をどうしていきたいのかが、盛り込まれていることが分かりました。
もちろん、それが全て実現をするわけではないのだけど、そういう基準が明確にあると言うことを私は今日知りました。(お恥ずかしい)
また、日本の数学の将来がやはり不安だと言うのは、みんなが思っていることだと思いました。
そのためにすべきこともある程度は、考えられている。それは確かにと思う反面、高校数学だけでは変わることができないなとも思えましたし、何しろ時間が足りない。
そう思えたのは、受験意識を中途半端にしてしまうから、こういう教育思考にならざるを得ない。
ゆっくり数学を学んでいけば、楽しさは見える機会が増えるが、受験に勝つことが出来なければ、進学校の看板は下ろさなければいけなくなる。
つまり受験システムも変えていかなければ、難しいのだろう。(特に統計が導入されたことで、今後が大きく変わるようだ。)

・「データの分析」授業で育む 分布に対する数理的視点と活用力
さて、ここで問題になったのは、やはり数学に必修として統計が入ってきたことだ。
例として、進学校では統計を3コマ程度で終わらせて(知識を詰め込むだけ?)、他のところに力を注ぐと言うもの。
受験を意識したら、確かにそうなる。数学Bでは、統計を使わなくても数列・ベクトルを使えばセンター試験は乗りきれる。
しかし、統計を入れたのは、数学に興味をもってもらいたいからであって、受験をしない生徒や数学を専攻しない生徒(特に経済・商学・工学)なら統計を学ばせるべきと言う意見もあった。
この調整が難しい…。
正直私は、統計学と真面目に勉強していないので、自分が教える立場になることが不安であった。
それは、現職の教職員でも多いようだった。
しかし、それをサポートする勉強会と言うのもあったそうだ。しかし、今は予算の関係で出来ないでいるそうで、今後がどうなるかが問題となる。
私はまだ2年学生を続けるので、ちょうど参考書や教科書は整地されてきているころだと思う。
頑張って勉強しなければならないとも思った。

第二部
・新課程高校数学 高等学校の対応
高校を過ごす中での数学のあり方を実際に感じる内容。
私もなんとなく思っていたことのいくつかを、ズバッと言ってくれる内容でした。
高校数学のほとんど全てのことが、記述の答案を基準にすることで分かるという感じで、確かにそう思う。
また、進学校と中高一貫校の教材選択についてもお話を聞くことが出来た。
やはり、ある程度の進学校では、友達の議論によって成長をするのだろう。
正直、私の出身である高校や、高知県ではそんな話をほとんど聞いたことが無い。
それは、受験の意識の問題もあるのだろう。私はこの関東に住んで4,5年になるが、受験意識が異常とも思えるほど高いことは常に感じてきた。
小学生・中学生・高校生。受験の渦の中心が東京にあるからではないだろうか。
もちろん関東以外にも受験の渦がある。受験の渦があるのは、ある程度の都会でないと、存在しないだろう。
都会だから、みんなが競争心を持っているように思える。(これは私見)
話が少しズレてしまったが、その友達との議論から自分の考えを伝える表現力を学び、ちゃんと論理的に正しいこととは何かを学べるのだと思う。
それが、数学の解答にちゃんと現れてくる。田舎であれば、その状況をどう作るか、目標をどう作るかが問題になってくるんだろう。

・新課程のセンター私見などの大学受験への影響と対策
これも、私が最近生徒によく感じたことを仰っていた。
私の勤め先である塾では、ほとんどの講師がそんなことはないと言う風に捉えており、私の教え方を批難するようなことも何度かあった。
しかし、やはり間違っていないことだと今回そう思えた。「数学とは何か。」「数学の本質とは。」をしっかり感じる・学ぶためには、質問し返したりすることが重要であり、何でも教えてあげるというのは、ダメなんだと言うこと。
私がやってきて、失敗だったことと言えば、厳しくしすぎたために生徒から逃げられることが多くなってしまったことだろう。
そこの駆け引きが上手く出来なかった、正確に言えば(言い訳をすれば)、去年度の受け持った生徒は、それでも立ち向かってくる生徒ばかりだったが、今年度持った何人かの生徒は、所謂数学暗記型が根強くあった。
勉強も、「解答を読むだけ」と言うのが多く、時間をかけて勉強すべきことを短時間でやり、どれだけの量をどれだけ短くやるかが念頭にあるように思える生徒ばかりだった。
私は、それを上手く伝える術を知らず、丁寧にひとつずつ否定を確認していったから、生徒から見れば、数学を教えてくれない先生だったのだろう。
しかし、今日の講演で残った言葉として『「教えないでいい」ものは教えない。』というもの。
例えば、一度教えた数学Ⅲなどの微分・積分の計算。自分で復習すれば分かるものを、丁寧に一から教える必要は無いと言うことだ。
まずいのは、なんでも教えてあげる先生だと言うこと。そこの駆け引きをもっと上手くしないと、生徒から逃げられるだけになる。
それを上手くするのが、私の課題かも知れない。私は、ちょっと極端すぎたのだ…。

以上です。非常に充実した、5時間でした。

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以下、青山学院大学の感想。
表参道駅から歩いたのですが、オシャレな街に溶け込んでましたね。
歩いている人もみんなオシャレでした。(何を基準にオシャレと言っているのか分かりませんが)
そして、大学。入り口と壁は、大学だなーと言う感じでしたが、入ると異国の匂いを漂わせるキャンパスでした。
しかし、とても大学っぽくはあり、少しでしたがキャンパスライフを感じました。
また、機会があればお邪魔しにいくのかも知れません。

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