2011年4月4日月曜日

勉強の仕方、復習の仕方

私は、昨日生徒を授業中に泣かせてしまいました。
どうして泣かしてしまったのか。

その概要を話すために、具体的例も混ぜながら書いてみます。

授業中の単元は、数学Ⅲの極限。
4月2日に数列の極限、4月3日(昨日)で無限級数の話をしていたときのことだった。
説明を一通り済ませ、問題演習に移るところ。
ちなみに、それまでに私は「数列の復習をしておくこと、数Ⅲの最初で躓くことになるから」
と伝え「数列の復習」をすることを意識させた。
本人もそれを覚えており、4月2日から「数列の復習しましたよ!」と張り切っていた。

という、前提があります。
そこで、無限級数の問題。(私が2問ほど、手本に解いた状態)
部分分数分解を使う問題が出てきた。
もちろん、無限級数のそれぞれの項に当たる一般項を求め、部分和を求めて極限を取ると言う操作自体は覚えている。
しかし、一般項を求めた時点で、その一般項の極限を無意識でしようとする。
まぁ、よくある話なのだが、目標がnで表される何かだと思い一般項にもnが含まれてるからと勘違いしたんだろう…。
それは仕方ないなと、思いながら次の部分和を求める。

ここで、止まる。数列の復習をしていれば、「いろいろな数列の和」などで扱う部分分数分解をして、処理して上手く消して部分和を求める。
これがスムーズに出来ない。しまいには、それぞれの項を出し、通分していこうとしていた。

そこで、私はストップをかけ、「数列の復習はしたんだよね?部分分数分解という言葉は、覚えてる?」
その呼びかけに対し、無言というか、首を傾げる。
「復習は、どうやってやってるの?」と聞くと、一枚のプリントを持ち出した。

そのプリントには、等差・等比数列の一般項、和。∑の計算の仕方。階差数列の一般項の出し方。
等比型の漸化式の解き方、数学的帰納法の解き方。教科書を丸写ししたかの様な、公式を羅列したものだった。

「こういうプリントを作って、問題は解いたの?」と聞くと、「解いてないです。どの公式が部分分数分解ですか?」
と聞き返されたので、「このプリントには乗ってないね」というと、「じゃあ、どこの教科書を写せばいいですか?」と言う。

そこで、ちょっとキツイけども「こんなプリントを作っても、復習とは言わないよ」と言うと黙りこむ。
「復習って言うのは、その問題・単元が解けるようになって、初めて復習が終わった・出来たと言うんじゃないかな?」
というと、顔を背ける。
「そうじゃない?こんな公式を書いて覚えるだけで、満足?問題が解けて、初めて満足できるし、次に進めるんじゃないかな?」というと、泣き出してしまった。
泣きながら、「だって、他の先生がノートに公式を書けって…」というから、「確かに公式を一箇所にまとめるというのはいいと思うけど、それが使いこなせて、数列だったら数列に関する問題が完璧とまでは行かなくても、9割解けるぐらいになってようやく、復習できたと言うでしょう?現に、数学Bで習う部分分数分解をして和を求めるという問題が解けていないんだから、復習が出来ていないんだよ。」

ここで、5分ぐらいは、気持ちが滅入ったのだと思うけど、声が出せないような泣き方になったので、いろんな話を横でしてた。
部活動でも、料理でも、何でもそうじゃないかなって言う話。次のステップに進むには、そのためにはと。
頭を立てに振ったり、横に振ったりは出来てたので、質問しながら話をしていた。

それから生徒が「じゃあ、復習の仕方、勉強の仕方ってどうすればいいんですか?」と聞いてきた。

私は、「そんなの王道が一つあるわけじゃないし、君に合うやり方があるはずだよ。公式をまとめて、全部完璧にこなせる人も居れば、出来ない人も居る。自分で勉強方法は見つけなきゃいけない。そのために、私たち先生は、アイディアを出したりする。けど、それがいつでもあなたにあった勉強方法で、復習ができる、勉強ができるようになるかはやってみた本人じゃないと分かんない。」
生徒は首を傾げ、「じゃあ、私どうしたらいいのか分からない。」と。
「じゃあ、今日は残りの時間を使って、あなたに合いそうな勉強方法を考えよう。」とした。

この後、それを30分から40分して、授業は終わった。「明日(4月4日)、どうやって復習して、どうなったか聞くからね」と聞いたら「はい、大丈夫です。頑張ります。」と答えてくれた。
良かったよかったと。

さて、ここでですが、途中の太字部分が今回考えたいことです。

私は常々このように考えています。勉強法・復習法に完璧な解答はないと思ってます。
人間の生き方、人生の歩み方に完璧な解答がないのと同じぐらいそう思っています。
もうちょっと進んだ(分別のある人に対してなら)、宗教とは違うという話もします。

もちろん、ある程度の決まりごとはあるはずです。人生の歩み方で、人を殺めてしまっては、人道を外れていると言われるのと同じぐらいに。
そのある程度の決まりごとにも、いくつかのケースはあります。
復習をし、前までのステップ全てが分からないと、次のステップに進んじゃダメかと言えば、そうではないと思います。
少し、次のステップに進んでみたら、前のステップのある部分が見えたりすると思います。

そうして、体系を整えていくんじゃないんでしょうか。

今回のことで言えば、部分分数分解の基本が見えないのは、ご法度です。でも、部分分数分解でも、かなりややこしい問題は、解けなくてもいいと思っています。
例えば、こんな問題です。
こんな問題が、今高校3年生になったばかりの生徒は解けなくても良いと思っています。
(もちろん、難関校受験をする人なら、そのうちマスターして欲しいですが)

だから、本屋などに「勉強法の極意!」みたいなのがあると、ムッとして、手に取って読んでみます。
まぁすると、大体書いていることは、「そうすれば出来そうだな」と思うようなことが多いです。
けど、そう言う本も大体「勉強の仕方は幾つかあることを」明示させています。
私が今欲しいのは、「成功法」より「失敗法」なんじゃないかと思いますけどね。
どうしたら失敗するのかというのは、非常に重要で、なぜダメだったかを考えた方が、次に繋げられるはずです。
なぜ成功したのか。というのは、なかなかに「運」に頼ってるものもありますからね。

例えば、最近聞いた話だと、どうして教員採用に受かったのか。

その先生はこう言いました。「私立の中学・高校で、その学校の校長が私の親戚だった」と。
そんなの聞いても、どうしようもないですからね、私たち。

だから、もしこの記事を受験生が見たのなら、今の勉強法・復習法を見直して、果たしてこれが正解かとか考えるのではなく、どこに失敗する要因があるのだろうかと考えた方が良いと思いますよ。
大体自分の思ったように、知識・学力がついてなかったら、どこかに要因があることが多いと思います。
もちろん、時間をかけてじっくりやらなければならないこともありますが、高校の勉強に限っては、そこまで長く辛抱強く、粘ってようやく獲得できるものというのはないでしょう。
せいぜい1ヶ月,2ヶ月で、半年や1年はないです。1ヶ月,2ヶ月やってみて、何か力ついてないなーと思ったら、今一度見直しましょう。
客観的に見てもらうためにも、他人に相談するのもいい事だと思います。

そういう時に、同い年、先輩、はたまた先生。何人かに聞いてみることは大事です。
誰か信頼できる1人に…と思うかも知れませんが、それじゃ客観性はあまり得られないと思いますよ。

頑張りましょう。僕も頑張ります。

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